後悔しない家づくりの心得
背割りの秘密
先日お客様に質問された事がありました。ご質問というのがこの部分です。
柱にあるこの『切れ目』は何なのか、そしてこれを行う意味、強度に問題ないかについて質問をいただきました。
この仕事をしていると当たり前に見慣れていたこの柱の切れ目、お客様からの質問がとても新鮮に思いまして、今回ご質問の回答ともにご紹介いたします(*^-^*)
柱の切れ目『背割り』
この切れ目は『背割り』と言います。木材にあらかじめ切り込みを入れる加工する方法です。
木材には、芯去り材(木の中心を外した木材)と芯持ち材(木の中心を持つ木材)があります。
なぜ背割りをするのか?
割れたり、反ったりしにくくするため
天然の木材は収縮したり乾燥したりします。乾燥の過程で「ヒビ割れ」、「反り」、「歪み」が生じやすいのです。すると木材に「割れ」や「反り」がおこります。
前もって『背割り』を入れる事で他の部分(面)の割れを少なくすることができます。
乾燥を促進し、木の狂いをおこしにくくする
木材の背から割れ目を刻むことで、風通しを良くし木材の乾燥が進む役割を果たします。
木材は、乾燥するほど強度が増し、歪(ひずみ)が起きにくくなるのです。
木に大きな狂いが出てしまうと建物全体に狂いが出てしまい、強度が増すどころか、逆に強度に不安のある建物になりかねません。
無垢材はそれぞれの木自体に個性があり、扱い方がとても難しかったりします。しかし正しく扱えば何十年、何百年と長く愛される家を作ることができます。
木の扱い方を熟知している大工さんだからこそ、木ひとつひとつを見極め、その木の良さを引き出すことができるのです。
こうした人の目に触れない細やかな部分までこだわる技術と工夫が『本物の性能が良い家づくり』を支えてくれているのでした。
2024年7月27日