矢野の家づくり日記
地熱住宅技術研修-番外編<安藤忠雄展に行ってきました>
4月12日に、東京の成城でありました「地熱住宅技術研修」も無事終わり、翌日に、先月オープンしたばかりの「東京ミッドタウン」に行って来ました。
一応、建築家のはしくれとして最新の建築技術にふれてみたかったのと、実は行ってみたい処があったのです。
ひとつは、「サントリー美術館」、そしてもう一つは世界的建築家の安藤忠雄氏の「2006年の現場 悪戦苦闘」と銘打たれた展示会でした。
<上の写真が、ミッドタウンタワーと言うメインのタワービルで、
リッツカールトン東京や多数のオフィスが入っています>
専門雑誌などで、完成作品などは見る機会はありますが、有名建築家の現場の様子などを知る機会は、ないものですから楽しみにしておりました。
サントリー美術館は常設なのですが、「安藤忠雄展」は3月30日~4月18日迄の期間限定だったので、技術研修が上手く重なったので本当に良かったです。
<上の写真の手前の低いビルが、商業施設ビル「ガレリア」で、
色々なショップやレストランが多数入っています>
安藤忠雄氏の、「2006年の現場 悪戦苦闘」展は、敷地内のガーデンの一角に安藤忠雄氏設計で、新しいスタイルのデザイン施設、「21_21 DESIGN SIGHT」がオープンし、その建物で開催されていました。この施設は、今後もデザイナーや企業、一般ユーザーなどデザインへの関心と理解を高めるために使われるそうで、これからも見る事の出来る機会はありそうです。
<ガレリアの内部の様子です。1~4階まで吹き抜けになっていて、周りにショップやレストランがあり、サントリー美術館も3階にあります>
今回の展示会は、この建物を公開し、安藤氏設計の建築空間を体験できるのと同時に、ドローイング、建築模型、工事中の写真、などを展示してあり、完成までのプロセスが分かるようになっていました。
海外を含め、他の作品の資料なども一緒に展示されていました。
地上に出ている部分は少しだったので、
さして大きな建物ではないように見えたのですが、
上のフロアーは受付のスペースと喫茶ルームみたいなのがあるだけで、
下のフロアーは氷山みたいに地下に隠れている処が広く、
メインの展示会場として使われていました。
写真に見える三角の屋根は、
厚みのある鉄板を現場で溶接してつなぎ合わせ、
その上から塗料を何層にも塗ってあるそうです。
継ぎ目は殆ど分からず、説明を聞くまでは
近くでみても一枚の板にしかみえませんでした。
すごく手がかかっているのだけはわかりましたが。
内部の写真撮影は、禁止されていましたので
残念ながらご紹介は出来ませんが、躯体(壁、梁などの構造体)は
外部及び内部共、コンクリートの打ち放シの素地仕上げでした。
デザインなどは、安藤氏の作品ですから当然素晴らしいのですが、
ビックリしたのはコンクリートの仕上がりの素晴らしさでした。
仕上げの具合そして定規で引いたような精密さ…
あそこまでの精度の高いものは、初めて見ました。
専門家でないと分からないかもしれませんが、コンクリートの
高い柱の角、長い階段の斜めの手すりの角、全て見通してみました。
定規で引いたように真っすぐでした。見事の一言です!
私は、特別な安藤忠雄氏のファンではありません。
設計する上での、考え方からコンセプトから
違うところの方が多いかも知れません。
私ごときガ、比べられるレベルでもないのに、
偉そうな事を言いまして申し訳ございません。
ただ、唯一同じではないかと感じるところは、
良い建物を造り上げようとする、ひたむきな気持ちだと思います。
それだけは、世界的建築家でも、田舎の工務店の親父も同じではないかと思います。
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2007年4月28日