矢野の家づくり日記
リフォーム編: K様邸台所増築工事の様子を紹介します!
今回、K様邸の増築工事の計画にあたって、まず考えた事は、
・元々の建物の構造にダメージを与えずにできるか?補強で大丈夫か?
・増築部の基礎にかかる部分に、配管やマスなどの埋設物はないか?
・役所に申請が必要な規模かどうか?
・光の差し込む方向や、風の通りはどうか?
これらの条件を考慮し、部屋の広さや広げる方向を検討致しました。
これらの判断をひとつ間違えると、
構造的な問題も起きてきますし、
工事費も必要以上に割高になります。
そして、使い勝手の悪い、住みにくい環境の部屋になってしまう事もあるでしょう。
増築部分の基礎の鉄筋の配筋の様子です。
鉄筋は、直径13mmの鉄筋を使っており
新築住宅と同じ仕様で施工しております。
地震などの時に、増築部分と元の建物が
一体化して同じに揺れるようにしとかないと、
外側や内部の壁の境目に割れや亀裂が
入ったりします。
そのために、元の建物の基礎に鉄筋の
アンカーを打ち込んで、それに新しい基礎の
鉄筋を針金で結束し、一体化させます。
基礎コンクリートが出来上がった様子です。
1本、角の部分に大きいアンカーボルトが
見えていますが、ホールダウン金物と言い
地震の時に、柱と基礎をつなぎ一体化させる
ための重要な耐震金物です。
手前に見える基礎の欠き込みは、
床下換気口を取り付ける部分なのですが、
現在は、基礎を欠くと弱くなりますので、
基礎パッキンを使った欠きこまない工法に変わってきております。
今回は、元の建物と同じように合わせましたが、欠き込み部分は鉄筋で補強をしております。
基礎の上に、土台や柱・梁などを
組み上げ、屋根仕舞いをした後、
瓦を葺いた様子です。
場所が狭いため、木がなどがあって
見づらいかもしれませんね。
分かりづらいかもしれませんが、
梁が2段になっているのが分かり
ますでしょうか?
下にある大きい方が、今回補強のために取付けた
「添え桁」というものです。
この「添え桁」の取り付けにも、柱と梁、梁と梁の
接合部分は、ボルトで固定しなければ、
地震などの時にずれたり外れたりしますので、要注意です。
斜めに取り付けてあるのが「火打ち」と言いまして、
梁などが地震などの時に歪まないように、
土台や梁の角の部分に取り付けるものです。
これもボルトなどの金物で、ちゃんと固定しないと
意味がありません。
柱の根元に、特別大きいボルトが見えていますが、
これが先程のホールダウン金物を固定して
いるところです。
これは、直径16mmあり、建物の角々や
通し柱などの要所には必ずつけないと
いけない大事な金物です。
横に見えている箱型の金物は、
スジカイ金物と言い、スジカイが土台から
外れないように固定しているこれもまた大事な耐震金物です。
腰から下が黒くなっていますが、
これは防腐及び防蟻処理等の目的で、
高温で処理した液状化の炭「カーボンコート」を
基礎全体と木材に塗布しているところです。
炭は、消臭・調湿・マイナスイオンなどの
効果もあり、効き目も長期にわたって
持続いたします。
炭が主要成分で自然素材で出来ていますので、
マスクがなくても塗れますし、塗っている作業員にも
大変好評の、環境にも人にも優しい材料です。
一般の化学薬品で出来ている防蟻剤は、
有効期間も3年から5年と効果も短い上に、
人の体にも問題がないか疑問視されています。
工事費用は割高になりますが、
健康の事、環境の事など長期的に考えれば、
高いものではないと思っています。
内部の仕上げの様子です。
流し台廻りは、湿気が多いため
耐水用プラスターボードを使用しています。
そして、この上から火にも水にも強い
キッチンパネルを貼るようにしています。
外部のサイディングを張っているところです。
元の建物と同じ物を捜してきました。
現在の新築工事で外壁を貼るさいには、
表から釘を打たずに、殆どが金物工法に
なってきています。
外壁の塗装も終わり完成です。
主に、後からみえなくなる基礎や構造部分を
紹介してきました。
基本的に、増築も新築も同じだと考えています。
構造的、使い勝手、住環境など全てを
考えなければなりません。
住まわれるご家族の想いをお聞きし、
それ以上の期待にこたえられるような
家造りをしていきたいと思います。
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2007年8月16日