家づくりのためのアドバイス
家づくりやパートナー選びで、私なりに大切だと思う事や考えて頂きたい事などを書いてみました。
いろいろ情報が溢れかえる中で「何が良いのか」、「何が自分に合っているのか」などを探して迷ってしまわないためには、あせらずにこれらの事を踏まえて家づくりを考えて頂ければ幸いです。
ここでは、「家づくりの始めに」・「大手ハウスメーカー」・「建築設計事務所」・「地元の工務店」のおおきく4つに分けてまとめてみました。
そこで、それぞれを本音を交えて大検討してみましょう!
家づくりの始めに
まず最初にするべき事は、「資金計画」です!
家づくりで、一番大事で、一番最初にしなければならない事は、「資金計画」です!
まず、もよりの金融機関などに行かれ相談してみてください。
ただ、金融機関で教えてくれるのは、みなさんの年間所得から算出した、幾らの融資が受けられ、毎月どういう支払いになるかであり、みなさんのライフプランに合ったベストの資金計画ではないかもしれません。
みなさんにとって、家を建てることが最終目標ではないはずです。
家族が、健康で仲良く楽しい生活をするための、ひとつの手段が家づくりであり、家を建てたがために、食べる物も制限し、行きたいところもガマンしたりでは資金計画が正しかったとは言えないでしょうね。
金融機関も返してもらえるなら少しでも多くの資金を借りてもらいたいでしょうし、建てる会社も予算を少しでも多くしてもらって、完成度の高い少しでも満足してもらえるような家を建ててもらいたいと思っているでしょう。
でも、返さなければならないのはみなさんですし、決めるのもみなさんです!
まずは、ご夫婦でゆっくりと話し合う時間を持ち、新築後のライフプランをしっかりと考え本当に必要な家の広さや造り、将来に必要になる子供の学費などのさまざまな事まで考えて、「家族が幸せになるための家づくり」の資金計画を考えて頂きたいと思います。
その住まいに何を求め、どのような住まい方をするつもりなのか
予算や外観を考える前に、まずこのことを整理整頓しておく事が、後悔しない住まいづくりのスタートになるのです。
文章でも具体的なイメージでも良いですから、頼む相手に対し十分に意図を伝えられるようしておくこと。
そして家族が同一した考えを持つ事が大変重要となります。
打合せが始まって、意見や希望がバラバラではなかなか進まず、まとまりのない建物になるばかりでなく、せっかくの楽しいはずの家づくりが台無しになりかねませんからね。
みなさんは最初のイメージづくりに、住宅展示場や住宅雑誌を参考にされる方が多いと思いますが、あまり華美な見栄えのする空間ばかり参考にしていると、現実的に敷地や予算の制限からギャップが大きくなりかねません。
見本はあくまで見本ですので安易にイメージを作らず、自分達の生活スタイルをしっかり把握した上で、自分達の希望や個性を整理してみて下さい。
それらを明確にすることによりたとえば、
- 自分たちが個性溢れる住まいにしたい創作派なのか?
- または車などを買うような感覚の商品選択派なのか?
いろいろな方向から話し合うことにより、自分たちに似合った住まいや相手は誰なのかが浮かんでくると思います。
商品を買うのか、人を”かう”のか?
まずそこで最初に大きな分かれ道に当たると思います。
商品として確立された住宅メーカーか、白紙からオリジナルスタートの工務店や設計士を選ぶかという2本の道です。
後者の場合はたいてい、その会社を信用するということではなく、その人の信頼性や人間性、センスや考え方を”かう”ことになります。
どちらかを選ぶ前に、ふまえておいて頂きたいことがあります
最近は地震での被害で、多くの建物が倒壊したり尊い人命が失われる事もあり、どこでも耐震対策はいまや当然の売り文句になっています。
一時期は木造在来工法やツーバイフォーなどの構造は強いとか弱いといった事実と異なる報道や宣伝も多く見られました。
しかし地震に強い工法と言うのなら、基本的に現在行われている構法すべてと言っても過言ではないでしょう。
「どの工法でもしっかりとした設計と施工をしたものであれば、地震に強いことは先の震災で立証済みです。」
つまり、一般的に考えられている程の差はないと思って頂いても良いと思います!
ですから構造に関しましても、あくまで他の諸条件と同様に選択肢の一つとしてとらえてもらいたいのです。
私たちも構造の大事さを叫んできていますが、あまりに構造にこだわるばかりに、自分たちの夢や目的を見失う可能性だってあるのですから。
裸を見よう!
住宅展示場を廻ると「自分にもこの予算でこんな生活が出来るのか」と、ついにやけてしまった方は多いはずです。
これは工務店や設計士が手がけた事例を見るときも同じ事が言えますが、室内に置いてあるオシャレな洗練された家具やカーテン、そして部屋の広さに惑わされずに、建物の裸の部分だけを見るように心掛けてください。
裸で考えた時、驚くほど特徴がなくなることも少なくないのですから…。
後を考えて
建物はさまざまなメンテナンスや修理・改装がつきものです。
しかし昨今は、あまりにも美観重視、住宅の規格製品化、工期短縮、ローコストしたことにより、最初は綺麗だけれども、メンテナンスを二の次にしたものや、取替えようとしても非常に困難で大事になるような物も多く出まわっております。
廻られる時は、そういう視点からも見ていただけると良いかと思います。
…以上のことを念頭において、選びたい相手を研究していきましょう…
大手ハウスメーカー
まずみなさんは、家を建てようと思い立ったらどうされますか?
ほとんどの方が、住宅展示場に行かれるのではないでしょうか。
そこで営業マンの溢れんばかりに跳びだす売り言葉を聞きながら「モデルハウスは素敵だし、価格も安そうだし、まして大手なら安心だろう」と…
確かに商品としては、センスもあり優れていると思います。
しかし、落とし穴はないのでしょうか?
ここでは、工務店との比較や事例を交えながら問題点を整理してみたいと思います。
展示場のマジック
私たち業者自身、勉強のため展示場によく足を運びます。
そこで色々な情報収集をしてくるのです。
確かに、どのモデルハウスを見ても華麗な生活が出来そうでみなさんが素敵と思われるのは良くわかります。
しかし、いざ街中を見たとき、展示場にあるような家を探してもなかなかみつかりません。どうしてでしょう?
冷静に展示場を見られた方ならお分かりかもしれませんが、素敵と感じる理由は、モデルハウスの敷地制限のない広い自由な間取りと、数々の飾りや調度品のイメージづくりによるものだと思います。
また価格についても、この建物で坪いくらと聞けば、多分みなさんが思っているより安い金額かもしれませんが、よくよく聞いてみると高そうな照明や空調設備等、そしてグレードを上げるための色々なオプションと呼ばれるものなど入っていないものが数多くあることは知っておいて頂きたいと思います。
イメージの残像
最近は、メーカーもトラブルが多いので、この建物のオプションは、どれとどれいうように明確にはなってなってきたようですが、みなさんはそれらが別途項目だと分っていても、イメージが頭に残り”ウチもモデルハウスと同じ雰囲気のものが出来る”と言う錯覚におちいるのです。
さらにここで注意する事は、そこで聞いた坪単価は、その広いモデルと広い敷地に建つ規格での標準単価です。
一般的な敷地は、さほど大きくなく、また数々の諸条件が異なり、いろいろな別途費用がかかってきて、実際にその坪単価で出来るかどうかは担当の営業マンに詳しく聞いてみた方が良いでしょう。
せっかく建てるのだから良いものにするには、少しぐらいならと選択していった結果、予算をオーバーしてしまったという方々が多いようです。
営業マンがノルマ達成のために、仮契約を急ぐあまり詳細の内容まで提示してくれなかったり、本契約時に至っても詳細図面をそろえてもらえない例もあったと聞いています。
大手メーカーだからと鵜呑みにせず、詳細な図面や資料を確認し、納得された上で、仮契約や契約に望まれる事をお勧めします。
よくメーカーの追加工事や変更工事はすごく高いと言われます。
契約時の本体工事では値引きを多くしたように見せますが、それは後にこのような部分で儲けるというのが当たり前となっています。
大手だからそんな事はしないはず…という考えは捨ててください。
豪華なパンフレット
考えてみれば分ることなのです。
確かに、建物の部材のシステム化と部品の・什器の大量仕入れにより、製品としてよいものが入っていますし、下請工事費も低く抑えているのですが、それでは莫大な経費(宣伝費や人件費)はどのように見積もりに関わっているのでしょう?
展示場では、豪華なパンフレットや記念品も惜しみなく配られています。
結局のところ、決して安い買い物にはなっていないように思われます。
「でも、工務店と比べて法外に高くないのなら、安心できる大手が間違いない!」と、思われた方は、是非、以下のことに目を通していただきたいのです。
保証は?アフターは?本当に安心か…
大手は安心と言われる最大の理由は”保証”ですね。
躯体は20年保証など、安心できるように契約書に載せられていますが、実際その項目には数々のことわりが付いており、実際の生活上でその問題が保証を使うことができる程度のものなのか難しいところです。
逆によく遭遇するはずの身近な項目が、だいたい什器などと同じように数年(1、2年)保証というメーカーが多く、現実は大変シビアなようで個人個人で感覚が違うので、それを瑕疵とみるかどうかうやむやにされる可能性が多く、「それは使い方の問題です」と言われればそれまでです。
また大抵、引渡し時においては、あれだけ契約時に一生懸命だった営業マンから「これからアフターは、当社の下請け会社が担当になります」と言われます。
ここでアフターのトラブルが発生しているようで、建築雑誌等の特集でも扱われています。
(メーカーの広告が載っている雑誌にはありませんが)
では、町の工務店はどうでしょうか。
メーカーのように数々の保証をしているところは少ないですが、たいていの工務店は地元の評判が命であるため、ほとんど期間の有無に関係なく対応してところが多いです。
ですが、ご存知の通り業者の質の問題もあります。
例外もあることは事実ですので、建てられたお客様の声を聞くなど選択には慎重を要しますが…
大手メーカーの施工の大半は、地元の下請け業者(下請け専門会社・大工)などが行っています。
大手メーカーの社員が監督して、会社のマニュアルにに沿って施工しているのだから大丈夫でしょうと思われますよね…
メーカーの下請けをしている知り合いの業者さんの話によると、構造上大事である基礎工事をしている1週間の間で、監督が来たのが数えるほどで1時間くらいしかいなかったと言う話も聞きました。
これは特別なケースだったのかもしれませんが、基礎工事の時は毎日現場に行き、コンクリートを打つ時は最後まで立ち会って鉄筋の本数やコンクリートの厚みを確認して、自分で写真まで撮っている私たちにとっては考えられないことなのです。
1人で数多くの現場を受け持っていたりするのでしょうし、下請けさんを信頼しているのかも知れませんが、いかなるマニュアルがあろうとも、しっかりと管理・チェックはこまめに目を通し確認する事が、目に見えなくなる部分においては、非常に重要なことのはずだと思うのですが。
会社の大小に関わらず、良い家ができるかどうかの大半は、現場監督で決まると言っても過言ではないくらい監督の選任は大事なことのです!
大きい会社ほど、施主の方は事前に監督を見ることも選ぶこともないでしょうからね。
営業・設計・現場管理と、すべての部門に分かれていますから、どのような人物なのか顔を見ることもなく契約し、家づくりがスタートするのです。
建築設計事務所
設計事務所や建築家の選び方については、大手メーカーや工務店と比べて情報が少ないように思います。
他と同様に、質の差が大きく分かれてくる業種でもあります。
設計事務所・建築家の仕事とは?
住宅に限っては言えば、みなさんに判りやすいイメージで簡単に表現するとTV番組の「建物探訪」に出てくるようなスタイルの家を設計するという感じでしょうか?
基本的には、業務としては「設計業務」と「設計管理」の二つになります。
- 設計業務
施主と白紙の状態から打合せして、家を建てるために必要な図面を作成し施主代理として施工業者数社に見積りを出させて内容をチェックして、適切な業者を施主が選定する手助けをする。 - 設計管理
現場が始まると施工業者が図面通りに施工をしているか仕様通りの材料を使っているか、週に1回くらい現場に出向きチェックする業務
これらの業務は、二つを一緒に行うことが通例ですし、有効です。
報酬としては、工事金額の10%~15%が目安と考えてください。
まだ日本では、この報酬が高く余計物と考える人が多いのが実情ですが、良い設計士に恵まれれば決して高くは無く、メリットも多いと思います。
設計事務所・建築家を選ぶには
皆さんの建築家のイメージは「先生」と呼ばれ、外見はセンス溢れた身なりの人というイメージでしょうか。
実際は、服装も飾らず気さくな人が多いのですけどね。
ただ質の差があまり無いのではと思っっておられる方が多いかも知れませんが、むしろ住宅メーカーや工務店等の選択以上に難しいかもしれませんね。
知り合いに建築家がいなければ、住宅雑誌やHPなどから捜す事になりますが、掲載されているからと言って、それらが必ずしも良い家や優れた住宅、優秀な建築家と言うわけではないのです。
設計能力はどうか
空間構成や導線計画等は優れているように見えても、住宅設計経験が乏しい設計者かどうかは図面を見ればすぐ分ります。
問題なのは、ハード面である木造の基本や構造・仕様など知識不足のまま実施図面を書いている方がおられることです。
施主の家族の命を預かるものですので、業者の手抜き工事などと言う以前に熟慮した安全な設計・計算は不可欠です。
コスト感覚は優れているか
建材や什器、設備等の幅広い知識と経験を活かして、仕様をこのくらいにすると予算に収まるとか言うようなコスト感覚が設計する上では大事なのですが、これに欠ける方も多く見られ、場合によっては根本的なコンセプトも変更せざるを得なくなり、何度も調整が続き施主の方が振り回され不信感をいだいてしまうケースも…。
設計管理能力は大丈夫か
これは施主様にとって打合せしている時は分りづらい部分です。
図面通りの仕様や造り方をチェックをするのは難しいことではありませんが、実施図面で詳細が書けていない部分や不合理な問題は、実際の現場では幾つでも出てきます。
また施工側の立場で言うと「手間のかかる収まりや特殊な収まり」をデザインはするが、どう施工するか分らない施工知識に乏しい人は正直少なくないです。
施工者との摺りあわせで解決できる程度なら良いのですが、施工者に「詳細図面を書いてもらえれば承認します」とか最後には、「お任せします」と切り出すようなら困りものです。
みなさんが判断される術としては、難しい事ではありますが管理している現場を見させてもらうと言う事で、現場に同行して施工者や職人さん達との会話をよくよく聞いてみて主導権が取れていることとか、人となりとかで判断されるのも一つの方法ではないでしょうか。
見栄え優先、一人歩きしていないか
建築家の一番の魅力は、個性的な住宅を考えだしてもらうことですが、中には自分の作品となるため施主が望む以上にデザイン・空間や仕様にこだわったり、計画案を崩されるのを嫌う人もいるようです。
もちろん首尾一貫しているところが重要なのですが、どう見ても見栄えを優先感のあるものやメンテナンスやランニングコストを無視したようなものなど、本当に施主の方に説明し理解してもらっているのかな?
と思うような事もあります。
この点については、相談している時にこちらから提案した時の反応を見たり引き渡した家の方に率直に聞いてみることで感じとれるのではないかと思います。
責任の所在について、どう考えているか
今や瑕疵保険が充実しつつある中、設計者の責任と言うものがどこまで問われるか分りづらい状況です。
施工者の欠陥工事やミスは当然施工者が持つべきで、施主が自身の都合で追加・変更した工事代金は施主が負担するのは、ご理解されていると思いますが、施主の代理としている設計者の、構造や仕様についての「選択ミス」・「オチ」が原因で追加変更や修繕になった場合はどうでしょう。
正直に、施主に追加として依頼したり、多少の範囲なら施工者に頼み込んだりして済めば良いのですが、実際はトラブルに発展していることも多々あります。
こういう事があっている現場では、やり直しも多くなり、決して良い仕事にはなっておらず結果的には施主の方に被害が及んでくるのです。
相性が良いか
これが大前提になります。
家族のプライバシーを全て表し、とことん納得のいくまで話し合い、長い家づくりのパートナーになるのには、飾らずに付き合えることと絶対の信頼関係がが非常に大事だと考えます。
ただ、家の話だけをするのではなく、いろいろな趣味の話とかを聞いたりもして自然な素の人間性をかいまみてみるのも良いかもしれませんね。
良いものを造るには
“良い住まい”を造るには、設計センスも勿論大切ですが、単に仕事としての割り切りや施工を厳しくするだけでなく、気難しい業者や職人さんたちを、誠意をもってうまく使いこなせる器量があることも大切であり、それが設計士と施工業者の十分な意思の疎通と相互の信頼、そして良いものを造るという同一の想いにつながることによって、出来上がるものだと思います。
決まった内容のものでも、本当に仕上がりって変わってくるものなのです。
繰り返すようですが、大きな財産を託す訳ですから、形やデザインの好みだけでなくその人を心から信頼できてから頼むことにするのが大切だと思います。
苦言めいた内容も申しましたが、どんな業種にも質の問題が存在するように、設計事務所においてもいくつかの注意点もあることを認識しておいて頂きたく、そして少しでも判断の参考になる話ができたらという気持で綴りました。
もちろん、現在業務をされている大半の建築家の方々が、施主の立場になって夢の住まいを実現するため、また価値のある財産とすべく奮闘されていることは私たちが良く知っております。
これからも、そのような方たちと考えを共にして、自分たちにしか出来ないぬくもりと味わいのある住まいづくりを続けていこうと思います。
地元の工務店
日用品や電化製品等の同じ商品であれば、みなさんは安売りの大型量販店で買われる方が大半ではないでしょうか。
しかし、住宅の場合はそうはいきませんよね。
展示場住宅も然り、モデルルームと全く同じものを建てるには、よほどの立地条件が良くなければできませんし、出来合いの商品を買うのとは違いますからね。
そこで問題になるのが造り手の質です。
ご覧頂いている方は、工務店に任せるのが不安だという思いもあり、このページを開かれているのだと思いますが…。
残念ながら、この業界は質の差が大変激しく、素人まがいでも簡単に参入できるところなのです。
もちろん、どんな小さい仕事でも親切・丁寧にこなしている工務店が大半ですが、困ったことにマスコミ等が住宅問題(欠陥住宅)を取上げる際に、フォローが足らず偏った報道から「地元の工務店は危ない」とイメージがついてしまったようにも残念ながら思われます。
これに対し、真面目に取り組んでいる工務店たちは、反論の手段も分らず大変困っているのが実情でございます。
しかし、現実に劣悪業者は存在しており、またこれはモデルハウスや仕上がったばかりの事例だけでは判断が難しいことです。
住宅は新築しただけでなく、それからが長い付き合いになるものですので、物件だけで判断するのではなく、その人物を信頼できるかどうかにもかかっていると思います。
探してみよう
近くの工務店の評判も聞かないしツテもない場合は、日頃から建築現場に目を向けることです。
建物の概要、現場の整理状況、また近所であれば近隣への配慮、監督がどれだけ現場に足を運んでいるかなど、ポイントを決めていくつか見ているといろいろな違いが分るようになってきます。
次に、気にとまった工務店があれば、まず新築現場にいきなり訪ねてみましょう。
これなら連絡先を教えることもなく、現場内部も見ることができます。
現場見学会も有効ですが、何の用意もない抜き打ちの方がかえっていろいろ見えてくるかもしれませんね。
また工務店の人がいない場合は、職人さんと話をすることになりますが、この対応で工務店の管理の徹底具合や職人との信頼関係の度合いが読み取れるはずです。
(もちろん、職人さん特有のぶっきらぼうさは、あるとは思いますが!?)
会ってみよう
今度は、工務店と直接話してみましょう。
建築知識がなくとも臆せず、堂々といろいろ聞いてみることで、工法や材料等新しい知識や取組み方など熱心さを感じ取れるかどうか、ここが大変重要なポイントです。
ここで大切なのは、お客様から直接受注する元請けでどれだけ仕事をしているかという事です。
顧客やその紹介による割合が多いほど信用度が高いという事になります。
不動産の建売り専属や仕事の大半が大手メーカーの下請けだと、施工マニュアルによる仕事のパターン化で、監督や大工の知識・技術力の不足につながり、柔軟な対応や応用力に疑問を感じざるを得ません。
そして、平面・立面図だけでの打合せや説明では、一般の方はなかなか建物のイメージが分かりづらいものですので、CADによる外観のパースなど分りやすい表現方法を駆使して説明してくれるところを選ばれると良いと思います。
見積りしてもらおう
考え方など共感できましたら、次は見積りです。
当選ですが、見積りは品番等すべて詳細に表記されていることが条件です。
これがなければ、商品ランクを調整されても分りません。
しかしみなさんは、「細かいことは分らないので、ごく一般商品にしてだいたい坪いくらですか?」と聞かれるでしょう。
この坪単価は非常にくせ者と言えるでしょう。
これを常識的なものとして考えないで頂きたいのです。
基本は、建物本体(照明、エアコン、外構等は含まれていないことが多い)ですが、予算が決まっていれば建築本体だけでなく、つけなければいけない物は全て品番や面積、単価を入れてもらいましょう。
ここで大切なのは、数社見積りを比べる場合でも、単に一番安いという理由で判断しないでほしいのです。
見積りは、材料名、品番や表せても、施工基準や細かい収まりまでは分りません。
どこに頼んでも全く同じものが出来るなら別として(本来はそうあるべきなのですが)どんなに詳細まで同仕様にしても、それぞれの施工法の違いなどでどうしても仕上がり具合は違ってくるのです。
やり直しがきかない金額の大きい買い物です。
ケタ違いでない限り、先に述べたように、一番共感できたところを選ぶのが安心ではないでしょうか。
契約する
見積りが納得できたら、最後はいよいよ契約です。
契約する前に、しっかりと図面・見積り書類一式が揃っているのと契約書の内容をよく確認してください。
その場で、目を通すだけでなく、あらかじめ全書類を預かってじっくりと目を通しておくと良いでしょうね。
いくら相手を信頼していても、これだけは別です…是非慎重に!
当然ですが、納得できるまでは、サインするのはやめましょう!
時間をかけて打合せして、さらに時間をかけて図面を書いて、そして大事な現場での作業です。
最初から一環して、同じ人間が立ち会って、その後もずっと同じ人間がメンテもしていく、それが出来るところが、町場の小さな工務店の良さかなぁと考えます。
いろいろ書き綴ってきましたが、工務店びいきにはなってないつもりです…本当に。
みなさんの家づくりの参考になれば嬉しいです。